Deep Blue Sea
深い霧がかかる日
迷い込むとそこは深く蒼い森
しかしどうだ
まるでここは胎内の海ではないか
生命は海というプールから生まれてきたという
森も同じで
ここから人は歩いて出てきたのだ
アフリカという地で
人がまだ猿と言われていたころ
ある日守られていた森から外に出たのだが
一体そこに何があったのか
多分森は人という生物を産んだのだ
人は月満ちて森から産み出されたものなのだ
そこから自立に向けて歩み始めた
大陸を歩き通し
海を渡って未知の国へ出発した
森から出た後は辛苦の年月だったろう
人は時には森に戻るべきである
忘れてしまった原点に戻るために
遠い森の記憶を取り戻すために
そんなことを思いながら
蒼い森の中を通り過ぎる
街には胎内の記憶がない